土壌,水環境中における元素の動態は,低分子量の配位子との錯生成だけではなく,有機,無機のコロイド(nm~μmサイズの粒子,巨大分子)の形成,あるいは,そのようなコロイドへの収着反応によっても影響を受けます, この研究では,流れ場を用いてコロイドを非侵襲的にサイズ分画可能な流動場文各法(flow-field flow fractionation, Fl-FFF)と質量分析(ICP-MS)をオンラインで接続することで,花崗岩系,および,堆積岩系深部地下水に含まれるコロイドのサイズ分布,および,元素組成を決定し,比較を行いました.サイズと構成元素の両方の弁別を可能とする本手法を用いることで,多様な環境コロイドの分析を可能としております.
本研究は,一部,日本学術振興会 若手研究B(25820446)の助成を受け,日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門との共同研究として,実施されました.
Saito, T.*, Hamamoto, T., Mizuno, T., Iwatsuki, T., Tanaka, T., “Comparative study of granitic and sedimentary groundwater colloids by flow field flow fractionation coupled with ICP-MS”, J. Anal. At. Spectrom. 30, 1229-1236 (2015).