メソポーラスシリカへのEu3+の吸着
時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)を用いて,非多孔質シリカと比較して,空隙分布の異なるメソポーラスシリカに対するユーロピウムイオン(Eu3+)の吸着状態を分析し,非多孔質シリカへの吸着と比較した.PARAFAC(parallel factor analysis)による多変量解析により,Eu3+の異なる化学種の蛍光スペクトルへの寄与を分離し,各化学種に対する空隙径の影響を明らかにした.その結果,Eu3+の吸着が少ないpH6以下で […]
時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)を用いて,非多孔質シリカと比較して,空隙分布の異なるメソポーラスシリカに対するユーロピウムイオン(Eu3+)の吸着状態を分析し,非多孔質シリカへの吸着と比較した.PARAFAC(parallel factor analysis)による多変量解析により,Eu3+の異なる化学種の蛍光スペクトルへの寄与を分離し,各化学種に対する空隙径の影響を明らかにした.その結果,Eu3+の吸着が少ないpH6以下で […]
by Murota & Saito 微小な空隙中における水はバルク水に比べて構造化し、比誘電率等の性質が変化することが知られている。一方、そのような微小な空隙の表面とイオンとの吸着などの表面反応がより大きな空間でのそれとどのように異なるのかは明らかでない。そこで、基本的な表面反応である水酸基のプロトン解離反応に着目し、マイクロポア及びメソポアを持つ6種類のメソポーラスシリカの異なるイオン強度及びpHにおける表面電荷密度をバッチ滴 […]
背景2011年に発生した福島第一原子力発電所事故によって、東日本の広い地域が放射性セシウムによって汚染された。居住地の汚染土壌の多くは除染のために剥ぎ取られ、処分に向けて保管されているが、依然として森林地域での空間線量は高い。将来行われる汚染土壌の処分における安全評価や森林地域周辺の居住者の長期の被ばく評価のためには、セシウムの土壌中での挙動の理解が必要である。セシウムは雲母系の鉱物に強く吸着されることが知られている。しかし、異なるイオ […]
背景 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故で環境中に放出された放射性核種によって,東日本,特に,福島県の広範囲が汚染された.居住地域の大部分の除染は完了しているが,大部分の森林,山間部は手つかずの状態である.森林や河川環境中での放射性Csの分布の変化を予測するためには,Csの環境動態の理解が不可欠である.Csは雲母様鉱物に選択的に吸着することが知られているが,その移行性,生物学的利用能は,このうち,液相中の共存陽イオンと容易 […]
ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析): Agilent 7500 cx ICP-AES(誘導結合プラズマ原子発光分析): 島津 ICPS-7510 流動場分画装置: Postnova Analytics AF2000 FOCUS 紫外可視光吸収検出器 蛍光検出器 示差屈折検出器 自動滴定装置 Wallingford Titrator Metrohm Titrand 紫外可視吸光高度計: 島津 UV-27 […]
緒言 東日本大震災による地震と津波の引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故により, 多量の放射性物質が大気中に放出され, 広い範囲が汚染されたました. 特に, 30.1年と比較的半減期が長い放射性セシウムはイライトなどの粘土鉱物に取り込まれ, 交換速度が小さいことが知られています. 土壌中のセシウムの動態を知ることは汚染土壌の減量化や最終処分場の決定といった除染の課題の解決に不可欠であり, セシウムの土壌への吸着や, その脱離 […]
東電福島第一原発事故で放出された137Csは,その一部が東日本の広範囲,特に福島県の市街地,農耕地,山林を汚染し,原発の近隣住民に避難を強いると共に,多くの人々の生活に直接的,間接的な影響を与えています.原発事故後,比較的沸点の低い137Cs (678 ℃)は,CsI等の形の粒子等として大気中に放出されましたが,事故後2~3年で土壌が陸上での137Csの最大のシンクとなっていると考えられます.137Csはγ線 (662 keV) を放出 […]
TRLFSは,パルスレーザを試料に照射することによって,試料中に含まれる蛍光団(蛍光性のイオン,有機分子)を励起し,励起状態からの脱励起過程を試料からの発光を通して,観察する手法です.蛍光性の金属イオンを対象にしたTRLFSに含まれる情報としては, 蛍光(発光)スペクトルの形状 蛍光の時間減衰 が挙げられ,それぞれ, 発光に至る許容遷移の数と遷移の確率 発光と競合する脱励起過程の存在 を反映しています.したがって,錯体形成のような化学反 […]
環境中での,放射性核種や有害元素の挙動を理解するためには,理想的なラボレベルでの反応実験と分子スケールの構造情報から,それら元素の化学形の変化を説明する普遍的なモデルを構築し,それを実環境条件に外挿することが求められます.そうすることで,金属イオンの環境動態を”予測”でき,処分システムの安全評価における信頼性向上や効率的な環境修復手法の開発等に繋がります.特に,我々の研究室では,鉱物表面や腐植物質などの天然有機物への金属イオンの吸着・結 […]
土壌,水環境中における元素の動態は,低分子量の配位子との錯生成だけではなく,有機,無機のコロイド(nm~μmサイズの粒子,巨大分子)の形成,あるいは,そのようなコロイドへの収着反応によっても影響を受けます, この研究では,流れ場を用いてコロイドを非侵襲的にサイズ分画可能な流動場文各法(flow-field flow fractionation, Fl-FFF)と質量分析(ICP-MS)をオンラインで接続することで,花崗岩系,および,堆積 […]